制度設計・運用

人事の「忙しい」を解決したい。定型業務と思考業務を分けることから始める業務整理の考え方

#採用#評価#研修#組織開発#経営参画

人事の「忙しい」を解決したい。定型業務と思考業務を分けることから始める業務整理の考え方


はじめに

「法改正対応、手続き、問い合わせ対応……毎日何かに追われて、本当にやりたいことが全然できないんです」

人事の方とお話をしていると、こういった言葉を本当によく耳にします。それも、一度や二度ではなく、さまざまな会社の、さまざまな立場の人事担当者の方から、繰り返し聞くのです。

やるべきことは山積みで、優先順位をつけようにも、どれも「今日中にやらなければ」という切迫感がある。採用を強化したい、評価制度を見直したい、組織の課題に向き合いたい——そういう気持ちはあるのに、目の前の処理に追われて1日が終わっていく。「自分は人事として本当に価値を発揮できているのだろうか」という疑問が、ふと頭をよぎることもある。

この感覚、あなたにも覚えがあるのではないでしょうか。

「忙しい」という状態は、人事という仕事の宿命のように語られることがあります。でも、私はそうは思っていません。忙しさの多くは、構造の問題です。「何に時間を使っているか」の設計の問題であり、仕組みの問題です。

この記事では、人事の業務を「定型業務」と「思考業務」に分けて整理するという、シンプルだけど効果的な考え方についてお伝えしたいと思います。全部を一気に変える必要はありません。ただ、自分の仕事を少し違う角度から眺めるところから、変化は始まります。一緒に考えてみたいと思います。


P3|なぜ人事は「忙しい」のか——構造を理解するところから

ある一人人事の方が打ち明けてくれたこと

「従業員が30名になったタイミングで、初めて人事専任の私が採用されたんです。でも、入ってみたら何もなくて。採用も、労務も、研修も、制度の整備も、全部自分一人でやることになって……何から手をつければいいかわからないし、社内に相談できる人もいない。毎日何かに追われているのに、なんか何もできていない感じがするんです」

従業員30名のスタートアップで、初めての人事専任として入社した方が打ち明けてくれた言葉です。

この方は決してスキル不足なわけではありませんでした。採用の経験もあり、労務の基礎知識もある。ただ、「人事が一人しかいない」という構造の中で、すべての業務を同じ温度感・同じ緊急度で抱えてしまっていた。それが、「何もできていない感じ」の正体でした。

この状態に陥るのは、決してその方だけではないと私は思っています。むしろ、一人人事や小規模チームで人事を担う方の多くが、多かれ少なかれ同じような感覚を持っているのではないでしょうか。

「定型業務」と「思考業務」——この2つの違いが構造の鍵

業務の多さに圧倒されているとき、まず有効なのは「自分がやっている業務を2つに分類すること」だと私は思っています。

定型業務:毎回同じプロセスで処理できる業務

入社手続き、退社手続き、月次の給与計算、勤怠集計、各種届出の処理、社員からの問い合わせ対応——こうした業務は、「毎回何をするかがほぼ決まっている」という特徴を持っています。もちろん例外はありますが、大筋では同じプロセスの繰り返しです。

思考業務:状況に応じて判断が必要な業務

採用要件の設計、評価制度の改善、組織の課題分析、面談での個別対応——こうした業務は、「その都度、状況を読んで判断する」必要があります。定型化できないからこそ、人事の専門性と思考力が問われる領域です。

この2つを混在させたまま「全部やる」状態に入ってしまうと、何が起きるか。思考業務をやっていても、「あの手続きまだやっていない」という焦りが邪魔をする。定型業務をやっていても、「こんなことより採用を考えなければ」という罪悪感がつきまとう。結果として、どちらも中途半端になってしまいます。

「悩まなくていいことは手放し、本当に悩むべきことに時間を使う」

人事の仕事において、私が大切にしている考え方があります。それは「悩まなくていいことは手放し、本当に悩むべきことに時間を使う」という発想です。

定型業務は、本来「悩まなくていいこと」です。入社手続きの方法は、毎回考える必要はない。「昨日と同じプロセスで処理する」というのが理想の状態です。もし毎回悩んでいるとすれば、それは仕組みが整っていないサインです。

逆に、思考業務は「じっくり悩むべきこと」です。「どんな人を採用するか」「評価制度をどう変えるか」「この組織にとって今最も必要な施策は何か」——こうした問いには、簡単な答えはありません。だからこそ、しっかりと時間と思考を使う価値がある。

人事の価値は、定型業務の処理速度にあるのではなく、思考業務の質にある。この視点を持つことが、業務整理の出発点になると私は考えています。

一人人事が陥りやすい「構造的な罠」

一人人事の方が特に陥りやすいのは、「なんでも自分でやらなければ」という思い込みです。確かに、人事が一人しかいない以上、物理的には全部自分がやるしかない。でも、「自分でやる」ことと「自分が悩み続ける」ことは違います。

仕組みを作れば、その後の作業は「実行する」だけになります。チェックリストがあれば、「次は何をするんだっけ」と考えなくていい。FAQがあれば、「同じ質問に毎回答える」ことをしなくていい。テンプレートがあれば、「ゼロから書く」作業をしなくていい。

仕組み化とは、「悩みをなくす作業」だと言い換えることもできます。一度仕組みを作るのには時間がかかりますが、それ以降の「毎回の悩み」が消えます。長い目で見れば、圧倒的にコストが低い選択です。


P4|よくある失敗パターン——なぜ仕組み化が進まないのか

「完璧な制度」を最初から作ろうとして動けなくなる

ある企業の事例をご紹介したいと思います。

その会社では、評価制度の整備が急務になり、外部のコンサルタントに依頼しました。出来上がった制度は非常に精緻なもので、設計書の完成度は申し分なかった。ところが、実際に運用を始めてみると、管理職がその制度を使いこなせない。評価の仕方がわからない、フィードバックの場が設けられない、結果として制度は形骸化してしまいました。

後になってわかったのは、「制度の完成度より、評価する管理職の評価力の方がずっと大事だった」ということでした。

この話は、人事の業務整理にも通じるものがあります。「最初から完璧な仕組みを作ろう」という発想が、かえって動きを止めてしまう。完璧なチェックリストを作ろうとして、一週間考えて結局完成しない。完璧なFAQを作ろうとして、「まだ足りない項目がある」という気になって公開できない。

仕組みは、使いながら育てるものです。最初から完璧である必要はありません。「80点の状態で動かして、使うたびに改善する」という発想の方が、結果的に使える仕組みになることが多いと私は思っています。

よくある3つの失敗パターン

失敗パターン①「まず全部やろう」として疲弊する

業務整理をしようとするとき、「まず全部の業務を完璧に整理しよう」という発想になりがちです。でも、これは高い確率で途中で力尽きます。業務の棚卸しをしようとして、リストが膨大になり、「こんなにあるのか」という絶望感で終わる。

仕組み化は、一度に全部やろうとしないことが大切です。「今月は入社手続きのチェックリストだけ作る」くらいの小さい単位から始める方が、確実に前に進めます。

失敗パターン②定型業務を効率化せず、増やし続ける

定型業務が増えていくのは、自然なことです。会社が成長すれば、対応する人数も、手続きの種類も増える。問題は、「増えた業務をそのまま抱え込んでいく」ことです。

仕組みがないまま業務が増えると、「処理量」が純粋に増えていくだけです。でも、チェックリストを作ったり、FAQを整備したりすることで、「1件あたりの処理時間」を減らすことができます。全体の業務量を増やさずに、対応できる量を増やすことができる。この視点がないと、業務は増える一方になってしまいます。

失敗パターン③「忙しいのが当たり前」と思い込んで構造を変えない

これが最も根深い失敗パターンかもしれません。「人事は忙しいもの」「一人でやっているんだから仕方ない」という思い込みが、構造を変えようとする意欲そのものを奪ってしまいます。

忙しさを当然として受け入れてしまうと、「なぜ忙しいのか」を考えなくなります。でも、忙しさには必ず構造的な原因があります。「なぜ毎回同じことを調べているのか」「なぜ毎月同じ問い合わせが来るのか」——その問いから逃げないことが、変化の入口になります。


P5|人事のプロはどうしているか——仕組み化の4つの工夫

人事業務の仕組み化において、実際に効果を発揮していると感じる工夫を4つお伝えしたいと思います。

工夫①業務棚卸し——「毎月必ず発生する業務」を年間カレンダーで可視化する

業務整理の最初の一歩は、「自分が今何をやっているのか」を見えるようにすることです。

頭の中だけで業務を把握しようとすると、どうしても「なんとなく全部大事」「なんとなく全部忙しい」という感覚から抜け出せません。紙でもスプレッドシートでも何でも構いませんので、まず業務を書き出すことが重要です。

書き出す際に有効なのが、「年間カレンダー形式」で整理することです。

| 時期 | 業務内容 | |------|---------| | 毎月 | 給与計算・勤怠集計・入退社手続き・各種届出処理 | | 1月 | 年末調整の後処理、源泉徴収票の発行 | | 3〜4月 | 新卒入社対応、社会保険の年度更新準備 | | 5〜6月 | 労働保険の年度更新 | | 7〜8月 | 算定基礎届の処理 | | 10〜11月 | 年末調整の準備、源泉徴収票の準備開始 | | 随時 | 中途採用対応、社員からの個別問い合わせ |

このように可視化することで、「いつ何が来るか」が事前にわかるようになります。

この棚卸しで大切なのは、網羅性よりも「動き始めること」です。完璧なリストを作ろうとするより、「今思いつく業務を全部書き出す」ことを優先してください。書き出したものを見ながら、「これは定型業務か、思考業務か」を考える——その分類作業自体が、業務整理の第一歩になります。

棚卸しをやってみると、多くの方が「こんなに定型業務があったのか」という発見をします。そして同時に、「これは一度仕組みを作れば、来年以降は楽になる」という業務が見えてきます。その発見こそが、次のアクションへの動力になります。

工夫②チェックリスト化・テンプレート化——一度やったことを「次も使えるもの」に変える

業務棚卸しができたら、次に取り組みたいのが「チェックリスト化」と「テンプレート化」です。

チェックリスト化とは何か

「入社手続き」を例にとって考えてみましょう。入社のたびに「次は何をするんだっけ」「あの書類は取ったっけ」という確認が発生しているとすれば、チェックリストがない状態です。

一度「入社手続きチェックリスト」を作ると、次回以降はリストに従って処理するだけになります。確認漏れが減り、処理のスピードが上がり、何より「考える量」が減ります。「考える量が減る」ということは、その分、別のことに思考を使えるということです。

チェックリストの項目例(入社手続き):

  • 雇用契約書の取り交わし
  • 社会保険の加入手続き(5日以内)
  • 雇用保険の加入手続き(翌月10日まで)
  • 住民税の切り替え(必要な場合)
  • 銀行口座の登録
  • 社内システムのアカウント作成
  • 入社オリエンテーションの実施
  • 緊急連絡先の取得
  • 健康診断の実施案内

最初は不完全でも構いません。使いながら「これも必要だった」という項目を追加していけば、自然と精度が上がります。

テンプレート化とは何か

「毎月同じような内容のメールを送っている」「同じような案内文を毎回ゼロから書いている」という業務は、テンプレートが有効です。

例えば、「月次の勤怠確認依頼メール」「年末調整の案内メール」「採用選考の面接日程調整メール」——これらは、毎回内容が大きく変わるわけではありません。定型的なフォーマットを作ることで、「確認して送信する」だけの作業になります。

テンプレート化のポイントは、「使いやすいと感じる粒度で作ること」です。細かすぎると変更箇所が多くなって却って手間になり、大雑把すぎると使い勝手が悪くなる。最初は「この部分は毎回同じだ」という箇所だけテンプレートにして、徐々に範囲を広げていくとよいと思います。

チェックリストとテンプレートに共通しているのは、「一度作ることへの投資」という考え方です。最初の作成には時間がかかります。でも、それ以降は「考える時間」が減り続ける。長期的に見れば、圧倒的に時間の節約になります。

工夫③FAQ作成で問い合わせを削減する——社員が自分で調べられる環境を整える

人事の時間を見えないところで大きく奪っているのが、社員からの個別問い合わせです。

「有給の残日数を教えてください」 「育休を取りたいんですが、どうすれば良いですか」 「通勤費の申請はどこでするんですか」 「在宅勤務手当の申請方法を教えてください」 「健康診断はいつ受ければいいですか」

こうした問い合わせ、一つ一つは小さいかもしれませんが、累積すると相当な時間になります。そして、多くの場合、こうした質問の答えは「毎回同じ」です。

FAQの作り方

まず、過去1〜2ヶ月の問い合わせを振り返ってみてください。どんな質問が多かったか。「この質問、先月も来たな」というものがあれば、それはFAQの候補です。

最初から完璧なFAQを作ろうとしなくて大丈夫です。よく来る質問10個を書き出して、回答を書く。それだけで、かなりの問い合わせを減らせます。

FAQを整備するだけでなく、「まずFAQを見てください」という文化を作ることも大切です。「何かわからないことがあれば人事に聞く」という文化から、「まずFAQを確認する」という文化への移行。この変化は、一朝一夕には起きませんが、FAQの存在を繰り返し案内することで、少しずつ定着していきます。

社内のどこかに(イントラネットでも、共有フォルダでも、Slackのチャンネルでも)「人事FAQ」というページを作り、そこへのリンクを案内する。これだけで、問い合わせ数は確実に減ります。

問い合わせが減ることの価値

問い合わせが1件減ることは、単純計算で「1件分の対応時間」が減ることです。でも、それ以上の価値があります。問い合わせへの対応は「集中を切る」という側面があります。思考業務に集中しているときに問い合わせが来ると、その集中を一度リセットしなければなりません。問い合わせが減れば、集中できる時間の「質」も上がります。

工夫④優先順位の設計——「今この業務に時間をかけることが、最も組織に貢献するか」を問い続ける

仕組み化と並行して、私が大切だと思っているのが「優先順位を意識する習慣」です。

業務が多い中で、すべてに同じ時間をかけることは難しい。「何をどれくらいの深さでやるか」を判断するための軸を持つことが、業務の質と効率の両方に関わってきます。

「緊急度」と「重要度」の2軸

よく知られた考え方ですが、業務を「緊急度(今すぐやる必要があるか)」と「重要度(組織にとって価値があるか)」の2軸で整理することは、実際に有効だと感じます。

  • 緊急度高・重要度高:今すぐやる
  • 緊急度高・重要度低:できるだけ短時間で終わらせる
  • 緊急度低・重要度高:スケジュールを確保してじっくりやる
  • 緊急度低・重要度低:やらない、または最小限にする

人事の業務では、「緊急度は低いが重要度が高い」業務——採用要件の見直し、評価制度の改善、組織サーベイの分析——が、日々の処理業務に押し流されやすいです。意識的に「この業務のための時間を確保する」という設計をしないと、常に後回しになってしまいます。

「今この業務に時間をかけることが、最も組織に貢献するか」という問い

私が特に意識していただきたいのは、「今この業務に時間をかけることが、最も組織に貢献するか」という問いを持ち続けることです。

これは「効率的にこなせ」という話ではありません。「この時間の使い方は、本当に組織の課題に向き合っているか」という問いです。

定型業務を仕組み化するのも、結局はこの問いへの答えです。「毎月同じ入社手続きに同じ時間をかけ続けることは、組織への最大の貢献か?」——違うのであれば、仕組みを作ることで処理時間を短縮し、浮いた時間を思考業務に使う。その選択が、人事としての価値を高めていきます。

一人人事だからこそ、優先順位を意識する

一人人事の方は特に、「全部やらなければ」という強迫観念に陥りやすい。でも、一人だからこそ、「何をやらないか」「何に集中するか」の判断が重要になります。

すべてを高い品質でこなすことが難しい状況では、「どれを高い品質でこなすか」を選ぶことが、むしろプロとしての仕事です。定型業務を「最低限の品質で確実に処理する」仕組みを作り、思考業務に「最大限の時間と思考を使う」——この構造を意図的に設計することが、一人人事の働き方の核心ではないかと私は思っています。


P6|明日からできる具体的アクション

仕組み化の概念はわかった。でも、「じゃあ何から始めれば」という方のために、明日から試せる具体的なアクションを3つご紹介します。それぞれに所要時間・必要なもの・最初の一歩を添えました。

アクション①「今週発生した業務」を全部書き出す

所要時間:30〜60分 必要なもの:紙 or スプレッドシート、ペン(紙の場合) 最初の一歩:「今週やったこと」を5分間、思いつく限り書き出す

完璧なリストを作ろうとしなくて大丈夫です。「今週何をやったか」を思いつく限り書き出してみてください。5分でいいです。

書き出したリストを見ながら、「これは毎週・毎月来る業務か? それとも一時的なものか?」を分類する。そして、「毎週・毎月来る業務」に丸をつける。

その丸がついた業務が、仕組み化の候補です。一番「毎回手間だな」と感じる業務を一つ選んで、「次はどうやったら楽になるか」を考えてみてください。それが、業務整理の第一歩になります。

この棚卸しを毎週続けると、「自分は何に時間を使っているか」の全体像が見えてきます。1ヶ月後には、「この時期にこの業務が来る」というパターンが掴めるようになります。

アクション②一番手間だと感じる定型業務のチェックリストを作る

所要時間:1〜2時間(初回のみ) 必要なもの:スプレッドシートまたはドキュメントツール(NotionやWordでも可) 最初の一歩:「次にこの業務が来たとき、最初にやることは何か」を1行書く

「一番手間だな」と感じる定型業務を1つ選んでください。入社手続きでも、月次の給与計算確認でも、育休申請対応でも。

そのプロセスを頭から思い出しながら、「まず何をするか」「次に何をするか」を箇条書きにしていく。完璧でなくていいです。「大体このステップ」というレベルで書き出す。

初回の作成後、次回その業務が発生したときに「このリストを使いながら作業する」を試してみてください。「足りない項目があった」「この順番の方がよかった」という気づきが出てきます。それをリストに加えていけば、自然と精度が上がります。

最初の1時間は、何十回分もの「毎回考える時間」への投資です。

アクション③よく来る問い合わせを3つ選んでFAQ化する

所要時間:30〜45分 必要なもの:スプレッドシートまたはドキュメントツール 最初の一歩:「先月同じ質問をされた」業務を1つ思い出す

完璧なFAQを最初から作ろうとしなくて大丈夫です。「先月も同じことを聞かれた」という質問を3つ選んで、回答を書く。それだけで、立派なFAQの第一歩です。

書いたFAQを、社内のどこか(Slackのチャンネルでも、共有フォルダでも)に置いて、次回同じ質問が来たときに「こちらにまとめています」と案内してみてください。

FAQの場所を周知するのに有効なのは、「全社宛てのメールやSlackで一度案内する」ことです。「こういうことが知りたいときはここを見てください」という案内を一度出すだけで、認知度が格段に上がります。

最初は3つで始めて、問い合わせが来るたびに「これもFAQに追加できそう」という視点を持つ。半年後には、かなり充実したFAQになっているはずです。


P7|まとめ

忙しさの解決は、気合いや根性ではなく、仕組みで起きます。

定型業務と思考業務を分けて考えること。定型業務を棚卸しして、チェックリストやテンプレートで型にすること。問い合わせを減らすFAQを整備すること。思考業務に集中できる時間を意図的に作ること。

これらはすべて、一気にやろうとしなくていいことです。むしろ、「一気にやろう」とすることが、最初のつまずきになりやすい。小さく始めて、積み重ねていく。それが、確実に前に進む方法だと私は思っています。

人事の価値は、定型業務を完璧にこなすことではなく、思考業務の質にあります。「採用に真剣に向き合う」「組織の課題を深く考える」「経営の課題と人事をつなげて発想する」——そういう仕事に時間を使えるように、定型業務を整理していく。

「忙しい」という状態を、「これが人事の宿命だ」と諦めてしまわないでほしいと思っています。構造を変えれば、時間の使い方は変わります。そして、時間の使い方が変われば、人事として発揮できる価値も変わっていく。

そのための第一歩が、今週の業務を振り返る30分かもしれません。一人で考え続けることが難しいと感じたら、同じ悩みを持つ人事の仲間と語り合える場を活用することも、選択肢の一つです。


人事の仲間と学びたい方へ

「仕組み化したいけど、どこから手をつければいいかわからない」「同じように悩んでいる人事仲間と話したい」——そう感じている方には、人事図書館をご紹介したいと思います。

人事図書館は、人事をはじめとする「人・組織課題に向き合うすべての人」のための学びと交流の場です。一人では見えにくい視点や、実務で使えるヒントを、仲間と一緒に学べます。

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