採用広報を始めたのに応募が増えない。「とりあえず発信」が機能しない本当の理由
目次
- なぜ「発信すれば応募が来る」と思ってしまうのか——構造から考える
- ある企業で起きたこと
- 「採用広報ブーム」の背景にある構造
- 「認知」より「共感」という発想の転換
- よくある失敗パターンを整理する
- 「手段ありき」の罠
- よくある失敗パターン①:「とりあえずSNS開設」
- よくある失敗パターン②:「良い面だけ見せる採用広報」
- よくある失敗パターン③:「発信と採用プロセスが連動していない」
- 人事のプロはどうしているか——設計の具体的な話
- 工夫①:「来てほしい一人の人物像」を具体的に描く
- 工夫②:自社の「伝えたいこと」を言語化する社内インタビュー
- 工夫③:採用ファネルとの接続——発信→関心→応募の流れを設計する
- 工夫④:「ネガティブな情報も含める」リアリスティック・ジョブ・プレビュー
- 明日からできる具体的なアクション
- アクション①:ペルソナを「一枚紙」に書き出す
- アクション②:「現在の採用広報のどのステップが弱いか」を確認する
- アクション③:社内で一人にインタビューする
- まとめ
採用広報を始めたのに応募が増えない。「とりあえず発信」が機能しない本当の理由
「採用広報をやれと言われてSNSを始めたんですが、全然応募が来なくて……何がいけないんだろう」
そんな声を、最近よく聞くようになりました。
採用広報に取り組む企業が増えています。会社のSNSアカウントを開設して、社員インタビューの記事を作って、採用ページをリニューアルして——それだけの労力をかけているのに、応募数は変わらない。むしろ、「何のために発信しているのか」がだんだんわからなくなってきた、という感覚すら生まれてくる。
この「やっているのに手応えがない」という状態は、決して珍しくありません。採用広報そのものが間違っているわけでも、担当者の努力が足りないわけでも、多くの場合そうではないと私は思っています。
多くの場合、問題は「発信する前の設計」の段階にあります。「誰に・何を・どこで伝えるか」という問いに答えを出す前に、発信という手段に先に進んでしまっている。それが、採用広報が成果につながらない本当の理由ではないか、というのがこの記事でお伝えしたいことです。
採用広報の「設計」というと難しく聞こえるかもしれませんが、やることは思ったよりシンプルです。一人人事でも、経験が浅くても、取り組める実践的な話として一緒に考えてみたいと思います。
なぜ「発信すれば応募が来る」と思ってしまうのか——構造から考える
ある企業で起きたこと
少し前に、ある企業の採用担当者から教えてもらった体験があります。
「3ヶ月かけて口説いた候補者が、内定を辞退したんです」
その候補者は、採用プロセスの途中から明らかに会社に興味を持っていた。面接でも前向きな発言が多く、担当者も「この人は来てくれるだろう」と思っていた。内定を出したあとも、丁寧にフォローした。それでも、辞退の連絡が来た。
辞退理由を聞いてみると、「他社の方が、面接後のフィードバックが丁寧だったので」という言葉が返ってきた、と言っていました。
「採用広報には力を入れていたんです。SNSも更新していたし、社員インタビューの記事も出していた。でも、選考プロセス自体がブランディングになっているとは考えていなかった」
これを聞いたとき、採用広報の本質的な意味がここにある、と思いました。採用広報とは、SNSの投稿や記事だけではない。候補者が会社と接触するすべての体験——面接の進め方、フォローの仕方、フィードバックの丁寧さ——その全体が「この会社で働くとはどういうことか」を候補者に伝えているのです。
言い換えると、「情報を発信すること」と「候補者に伝わること」は、全く別の話です。そしてこの区別をしないまま「採用広報を始めよう」と動き出すと、発信量を増やしても成果が出ない、という状態になりやすい。
「採用広報ブーム」の背景にある構造
採用広報が注目されるようになった背景には、採用市場の変化があります。
求人票を出せば応募が来た時代は、候補者にとっての情報源が限られていました。求人サイトに掲載された情報で比較して、給与・待遇・仕事内容で判断する。それが採用のメカニズムでした。
ところが今は、候補者が動く前に下調べをする時代です。企業のSNSを見て、社員のLinkedInを確認して、口コミサイトで評判を調べて、「この会社ってどんな雰囲気なんだろう」という問いに自分なりに答えを出してから、応募するかどうかを決める。
特にスキルを持った中途採用の候補者は、複数の選択肢の中から選んでいます。「給与がいい」「待遇がいい」だけでは決め手にならない。「この会社の人たちと合うか」「この会社に入ったら自分はどう成長できるか」という文化・価値観のフィットが、意思決定の重要な要素になっています。
だから「採用広報で文化や雰囲気を伝えよう」という発想が生まれた。これ自体は正しい方向性だと思います。
ただ、問題はその「文化や雰囲気を伝えよう」の中身です。「どんな文化を」「どんな人に」「どのように」伝えるかが設計されていないまま発信を始めると、「なんとなくいい会社っぽい投稿」が積み重なるだけになります。
「認知」より「共感」という発想の転換
採用広報が機能するかどうかの分かれ目は、目的を「認知を広げること」においているか、「共感を得ること」においているか、ではないかと私は思っています。
「多くの人に会社のことを知ってもらいたい」という目的で発信すると、なるべくたくさんの人に見てもらえる投稿をしようとします。バズりやすいネタを探す。フォロワー数を増やそうとする。でも採用においては、フォロワーが10万人いても、採用したい人に1人も届いていなければ意味がありません。
一方、「採用したい人に共感してもらいたい」という目的で発信すると、発想が変わります。「採用したい人はどんな情報を求めているか」「どんな言葉に反応するか」「どんな会社の姿に共感するか」を考えることから始める。フォロワー数より、「この投稿を見て応募したくなった」という反応の数の方が大切、という感覚になります。
この発想の転換が、採用広報の設計においては最初の重要なステップです。
そして「誰に共感してもらいたいか」という問いに答えられないまま発信を始めることが、「やっているのに成果が出ない」状態の根本にあります。
よくある失敗パターンを整理する
「手段ありき」の罠
採用広報に限らず、人事の仕事でよく起きる失敗のパターンがあります。それは「手段ありき」で動いてしまうことです。
「1on1が良いらしい」という情報を聞いて、「うちもやっていない、問題だ」と感じ、とりあえず導入する。でも1on1が機能する組織と機能しない組織があるし、機能させるためには1on1の目的設計から始まって、マネージャーへの説明と合意形成、実施方法の設計まで、かなりの準備が必要です。診断なしに処方箋を書いても効かない、というのと同じで、自社の状況を分析せずに良さそうな手段を真似しても、期待した成果は出にくい。
採用広報も、同じ罠にはまりやすい。「採用広報をやっている会社が増えている」「SNSで採用に成功した事例を見た」という情報から、「うちもとりあえず始めなければ」と動いてしまう。この「とりあえず」が、後で「何のためにやっているかわからない」という感覚につながります。
よくある失敗パターン①:「とりあえずSNS開設」
採用広報で最も多い失敗の入り口が、「とりあえずSNSアカウントを開設する」ことです。
アカウントを作ること自体は悪くありません。問題は、「誰に・何を伝えるか」が決まらないまま開設してしまい、「何を投稿すればいいかわからない」という状態になることです。
担当者は発信のネタを探し続けます。社内イベントの写真を投稿したり、季節の話題に絡めたりする。でもそれが採用ターゲットに刺さる内容かどうか、確認する基準がない。だんだん投稿が義務感になり、更新頻度が落ちていく——という経緯を、複数の現場で聞いてきました。
SNS開設は「手段」です。手段を決める前に、目的と戦略を決める順番を守ることが大切だと思います。
よくある失敗パターン②:「良い面だけ見せる採用広報」
採用広報で「会社の良いところを発信しよう」と考えるのは自然なことです。ただ、「良い面だけ」の発信が逆効果になることがあります。
候補者は採用広報のコンテンツを見るとき、「本当のことが書いてあるか」という目線も持っています。「社員全員が楽しそう」「残業が少なくて働きやすい」という情報ばかりが並ぶと、「綺麗すぎて信用できない」という感覚を持たれることがあります。
入社後のギャップも問題です。採用広報で伝えた「理想の職場像」と、実際の職場の現実が違いすぎると、早期退職につながります。採用広報がうまくいって入社者が増えても、早期退職が増えれば、採用コストは下がりません。
「良い面だけ」ではなく、「自社らしさ」を正直に伝える。ネガティブな情報も含めて、「こういう会社です」と伝えることで、フィットした候補者が集まりやすくなります。
よくある失敗パターン③:「発信と採用プロセスが連動していない」
採用広報の発信を頑張っているのに、採用ページが古い、エントリーフォームが使いにくい、応募後の返信が遅い——という状態は、思ったよりよくあります。
候補者は採用広報の投稿に興味を持って、会社のことをもっと知ろうと採用ページに来ます。でも採用ページの情報が古かったり、薄かったりすると、せっかくの関心が途切れてしまう。
先ほど紹介したエピソードが示すように、選考プロセス自体も採用広報の一部です。面接の雰囲気、フィードバックの丁寧さ、内定後のフォローの質——これらすべてが「この会社で働くとはどういうことか」を候補者に伝えています。
採用広報の発信と採用プロセスの体験が連動していないと、「広報で期待値を上げて、選考で落胆させる」という最悪のパターンになりかねません。
人事のプロはどうしているか——設計の具体的な話
採用広報を「機能させている」と言える現場は、どんな工夫をしているか。私が見てきた中で、参考になると思うポイントをお伝えします。
工夫①:「来てほしい一人の人物像」を具体的に描く
「採用したい人材像を定義する」という作業は、多くの企業でやっています。でもその定義が「コミュニケーション能力が高い人」「主体的に動ける人」「チームワークを大切にできる人」という抽象的なレベルに留まっていることが多い。
この抽象度では、採用広報の設計には使えません。「コミュニケーション能力が高い人」にどんなコンテンツが刺さるかは、全くわからないからです。
機能している採用広報では、もっと具体的に描いています。例えば、こんなイメージです。
「28歳。IT系の中小企業でエンジニアとして3年働いてきた。技術はそこそこ身についてきたけれど、今の会社では自分の意見を言える場が少なく、モヤモヤしている。給与よりも『自分が成長できる環境』『意見を言い合える文化』を次の職場に求めている。転職活動はまだ始めたばかりで、Twitterでエンジニアの先輩たちの情報を参考にしながら、どんな会社があるかリサーチしている段階」
ここまで具体的に描ければ、「この人はどんな情報を求めているか」「どんな言葉が刺さるか」「どのプラットフォームで情報収集しているか」が見えてきます。
採用広報のペルソナは、「こんな人に来てほしい」という採用要件から作るのが基本ですが、重要なのは「採用要件を満たす人がどんな価値観・行動様式を持っているか」まで考えることです。スキルの要件だけでなく、「この人はどんなことを大切にしているか」「どんな情報に反応するか」を想像する。その想像が、コンテンツ設計の根拠になります。
一人人事の場合、このペルソナを一人で描こうとすると主観的になりすぎることがあります。現場のマネージャーや、最近入社した社員に「こんな人が欲しいと思う理由」を聞いてみることで、より現実的なペルソナが描けることが多いです。
工夫②:自社の「伝えたいこと」を言語化する社内インタビュー
採用広報で「自社の魅力を伝えよう」と思っても、「うちの会社の魅力って何だろう」という問いにすぐ答えられる人事担当者は、実は多くありません。
人事は会社全体を俯瞰して見る立場ですが、だからこそ「この会社の特徴的な良さ」が当たり前に見えてしまっていることがあります。「うちってこういう会社だよね」というのが見えにくくなっている。
そこで有効なのが、社員へのインタビューです。特に「最近入社した社員」と「長く活躍している社員」の両方に聞くことで、「入社前後のギャップ(良い意味での)」と「この会社で活躍する人の特徴」が見えてきます。
聞く内容は、例えばこういうことです。
- 「この会社に入社を決めた理由は何でしたか?」
- 「入社前に思っていたこと・入社後に感じたことのギャップはありましたか?」
- 「この会社ならではだと感じることはどんなことですか?」
- 「どんな人がここで活躍していると思いますか?」
- 「今の仕事で一番やりがいを感じる瞬間はどんな時ですか?」
このインタビューから出てきた言葉が、採用広報の「素材」になります。人事がそれをまとめて、コンテンツとして発信する。大切なのは、社員自身の言葉を生かすことです。「きれいにまとめた文章」より「その人が実際に言った言葉」の方が、候補者には刺さることが多い。
また、このインタビューには採用広報以外の効果もあります。社員が「自分が大事にしていることを言語化する機会」になるし、「会社がどんな価値観を大切にしているか」を社内で共有する契機にもなります。採用広報のための取り組みが、社内のエンゲージメントにも貢献する、という視点も持てると面白いかもしれません。
工夫③:採用ファネルとの接続——発信→関心→応募の流れを設計する
採用広報の発信は「入口」に過ぎません。発信を見て興味を持った候補者が、どういう経路で応募に至るか、という「採用ファネル」を設計することが、発信を採用成果につなげるために不可欠です。
典型的な採用ファネルのイメージは、こんな感じです。
- 認知:SNS・ブログ・メディアで会社の存在を知る
- 関心:採用ページ・詳細な会社情報を見て、もっと知りたいと思う
- 検討:他の情報源(口コミサイト、知人の評判)も確認しながら、応募を検討する
- 応募:エントリーフォームから応募する
- 選考:面接・選考を通じて、入社するかどうかを判断する
採用広報の発信(1の「認知」)が良くても、2・3のステップがうまく機能していないと、応募につながりません。
例えば、SNSで会社の投稿に興味を持った人が採用ページに来ても、採用ページの情報が薄くて「結局どんな仕事をするのかわからない」という状態だと、そこで離脱する。あるいは、応募フォームに進んでも「職務経歴書を書くのが面倒」「そもそも気軽に話を聞けない」という状況だと、応募を断念してしまう。
採用ファネルを設計するというのは、各ステップで「候補者がどんな情報を求めているか」「どんな障壁があるか」を考えて、それを取り除いていく作業です。
「カジュアル面談OK」という入口を作ることで、応募のハードルを下げる。「よくある質問」コーナーを充実させることで、候補者の疑問を先に解消する。「採用広報の投稿→詳細はこちら」のリンクをわかりやすく設置する——こうした小さな工夫が、発信を応募に変換する効率を上げていきます。
一人人事でこれを全部やろうとすると大変ですが、「今のファネルのどこが一番漏れているか」を一つ特定して、そこから手をつけていくのが現実的です。
工夫④:「ネガティブな情報も含める」リアリスティック・ジョブ・プレビュー
採用広報で最も勇気がいる工夫が、この「ネガティブな情報も含める」という発想かもしれません。
リアリスティック・ジョブ・プレビュー(Realistic Job Preview:RJP)という考え方があります。採用の段階で「仕事の現実的な姿」を候補者に伝えることで、入社後のギャップを減らし、早期退職を防ごうという考え方です。
「この仕事は○○な部分が大変ですが、それでも続けている理由は□□だから」という発信は、一見マイナスに思えますが、候補者にとっては信頼できる情報源になります。「本当のことを言ってくれている」という安心感が、会社への信頼につながる。
また、「大変なことを知ってもなお応募してくる人」は、入社後のギャップが少ない分、定着率が高くなりやすいという効果もあります。「良さそうな表面だけ見せて採用する」よりも、「現実も伝えて、それでも来たいという人を採用する」方が、長期的には採用コストが下がる可能性があります。
ただし、「ネガティブな情報を出す」ことと「会社の悪口を言う」ことは全く違います。「うちの会社はここが課題ですが、こういう理由で面白い」「こんな大変さがありますが、こういう人には向いています」という形で、「自社のリアルを正直に」伝えるのが採用広報のあるべき姿ではないかと私は思っています。
明日からできる具体的なアクション
「設計が大事」と言っても、どこから手をつければいいかわからない、という方のために、具体的なアクションを3つ挙げます。どれも「完璧にやること」ではなく「まず一歩踏み出すこと」を意識して選びました。
アクション①:ペルソナを「一枚紙」に書き出す
所要時間:60〜90分 必要なもの:紙とペン(またはWord/メモアプリ)
まず、「来てほしい一人の人物像」を一枚の紙に書き出します。書く内容は以下のとおりです。
- 年齢・職種・現在の職場環境(具体的に)
- 転職を考えている理由・動機
- 次の会社に求めていること(優先順位をつける)
- 情報収集の方法・よく見ているメディア
- どんな言葉・コンテンツに反応しそうか
「これが正解」という答えはありません。まず「自分はこんな人に来てほしいと思っている」を言語化することが最初の一歩です。
書いたあとに、現場のマネージャーや最近入社した社員に見せて「こんなイメージですか?」と確認してみると、より精度が上がります。
アクション②:「現在の採用広報のどのステップが弱いか」を確認する
所要時間:30分 必要なもの:採用ページのURLと、実際の応募データ(あれば)
今すでに採用広報を始めている場合は、「ファネルのどこが弱いか」を確認してみてください。
- SNSのフォロワー数や投稿リーチはあるが、採用ページへの流入が少ない → 発信から採用ページへの導線が弱い
- 採用ページへの流入はあるが、応募率が低い → 採用ページの内容が候補者の疑問を解消できていない
- 応募はあるが、選考途中の辞退が多い → 選考プロセス(フィードバック・フォロー)に課題がある
全体をいきなり改善しようとせず、「今最も課題があるステップ」に絞って手を打つことで、効率的に改善できます。
まだ採用広報を始めていない場合は、「まず採用ページの内容を見直す」ことから始めるのがおすすめです。SNSで発信を始める前に、「発信した人が来る場所」を整えておく順番が大切だと思います。
アクション③:社内で一人にインタビューする
所要時間:30〜45分(インタビュー本番) 必要なもの:インタビュー用の質問リスト、録音または議事録
今週中に、社内の誰か一人(できれば最近入社した人)に、15〜20分のインタビューをしてみてください。聞く内容は先ほど挙げたものでOKです。
「採用広報のコンテンツを作るため」という目的を伝えて聞くと、相手も話しやすくなります。録音またはメモを取りながら、「この言葉は使えそう」と思ったフレーズをひとつ記録する。
一人のインタビューだけでも、「自分一人では気づかなかった自社の魅力」が出てくることが多い。まず一人から始めて、慣れてきたら増やしていけばいいと思います。
インタビューした内容をそのままSNSの投稿や採用ページのコンテンツに使う、という発信の流れが作れると、採用広報が「コンテンツを考える作業」から「話を聞いてまとめる作業」に変わって、続けやすくなるという副次効果もあります。
まとめ
採用広報が機能しない原因は、ほとんどの場合「発信する前の設計」にあります。
「誰に来てほしいか」を具体的に描かずに発信を始めると、誰にも刺さらないコンテンツが積み重なっていく。「自社の何を伝えたいか」を言語化せずに発信すると、「なんとなくいい会社っぽい情報」の羅列になる。「発信から応募への流れ」を設計せずに発信を続けると、興味を持った候補者がどこかで離脱してしまう。
大切なのは、発信を始める前に「設計する」という手順を守ることです。設計の完成度を100点にする必要はありません。まず一枚の紙に「誰に・何を伝えるか」を書くことから始めれば十分です。その一枚が、採用広報の方向性を定める羅針盤になります。
採用広報は「コンテンツを量産する仕事」ではなく、「候補者に自社を正直に伝える仕事」だと私は思っています。設計があれば、発信の一つひとつに意味が生まれます。「なぜこれを発信するのか」が自分の中で答えられる状態になると、採用広報の手応えも変わってくるのではないでしょうか。
「とりあえず発信」から「設計してから発信」へ。その一歩として、まず一枚紙に「誰に・何を伝えるか」を書いてみてください。
採用広報の設計を体系的に学んで、仲間と実践を深めていきたい方は、ぜひ人事図書館を覗いてみてください。
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また採用予算を削られそうで……採用の効果をどう経営に示せばいいかわからない——こんな悩みを持っている人事の方は多いのではないでしょうか。採用はお金も時間もかかる仕事なのに、その効果が見えにくいために、コスト削減の対象にされやすい。
採用候補者体験(CX)を設計しないと、内定辞退はなくならない
なんで内定を断られたんだろう選考を途中で辞退されてしまった——採用担当者として、こういった経験を持っている方は少なくないのではないでしょうか。スカウトを送ってようやく応募してもらえた候補者が、途中で音沙汰なくなってしまう。内定を出したのに、他社に決めたという連絡が来る。