採用ブランディングを始める。「なんとなく応募」から「ここで働きたい」に変える方法
目次
- なぜ「いい人」が来てもうちを選ばないのか
- 採用市場の現状をあらためて確認する
- 「採用ブランディング」と「採用広報」はどう違うのか
- 候補者は「採用プロセス全体」で会社を評価している
- 「知名度がないと勝てない」という思い込み
- なぜ多くの会社がブランディングなしに採用しているのか
- 採用ブランディングでよくある失敗
- パターン①:会社の良い面だけを伝えようとして、候補者の信頼を失う
- パターン②:SNS・noteを始めたが、3ヶ月で続かない
- パターン③:採用ブランディングと「実際の職場」が乖離している
- では、人事のプロはどう考えているのか
- 工夫①:「自社の強みを棚卸しする」ことから始める
- 工夫②:「候補者体験(CX)」を選考プロセス全体で設計する
- 工夫③:「社員の声」を使った採用広報を小さく始める
- 工夫④:「応募者に選ばれなかった理由」を継続的に収集する
- 明日からできる3つのこと
- アクション①:在職者に「なぜここで働いているか」を1人聞く
- アクション②:自社の採用ページを候補者目線で見直す
- アクション③:直近の内定辞退者の理由を1つだけ深掘りする
- まとめ
採用ブランディングを始める。「なんとなく応募」から「ここで働きたい」に変える方法
「採用媒体に出しても応募が来ない。いい人が来ても、うちを選んでくれない…」
こういう声を、私はこれまで何百回と聞いてきました。
採用活動は、決して派手な仕事ではありません。求人票を書き、面接を調整し、候補者とやり取りをして、ようやく内定を出したと思ったら辞退される。それでも次の採用を続けなければならない。人事を一人でやっている方や、採用担当として現場を回している方にとって、この「報われない感覚」は本当につらいものだと思います。
一方で、世の中には「うちの会社、採用広報をはじめたら応募数が3倍になりました」というキラキラした成功事例もあります。SNSやnoteで社員紹介を発信している会社を見ると、「あそこはうまくやっているけど、うちには時間もリソースもない」と感じてしまう。そのギャップがまた苦しさを生む。
でも、私はここで少し立ち止まって聞いてほしいのです。
採用ブランディングや採用広報は、大企業だけのものでも、リソースが潤沢な会社だけのものでもありません。一人の人事でも、小さな会社でも、「知名度がないから無理」という話でもない。むしろ、規模が小さい会社ほど、ブランディングの力が効きやすい側面があります。
今日は、採用ブランディングとは何か、なぜそれが必要で、どこから手をつければいいのかを、一緒に考えてみたいと思います。正解を押しつけることはしません。ただ、「明日から一歩踏み出せるかもしれない」と感じてもらえたら、それで十分です。
なぜ「いい人」が来てもうちを選ばないのか
ある企業の人事の方から、こんな話を聞かせてもらったことがあります。
3ヶ月かけて口説き続けた候補者がいました。書類、一次面接、最終面接と丁寧に進めて、役員も「ぜひ来てほしい」と言っていた。内定まで出した。それなのに、最終的に辞退の連絡が来たのです。
理由を聞くと、こう言われたそうです。「他社の方が、面接後のフィードバックが丁寧だったので、そちらに決めました」と。
その人事の方は言っていました。「悔しかったけど、気づいたことがある。面接のやり方、選考の丁寧さ、そのすべてが採用ブランディングだったんだ、って」と。
このエピソードが教えてくれることは、とても本質的なことです。候補者は、求人票だけで会社を判断しているわけではない。応募してから内定をもらうまでの「すべての体験」を通じて、「この会社で働きたいかどうか」を判断しているのです。
採用市場の現状をあらためて確認する
まず、現在の採用市場の大前提を確認しておきましょう。
求人倍率は、業種や職種によって差はあるものの、長期的に見れば「企業側が候補者を選ぶ」よりも「候補者が企業を選ぶ」構造が続いています。特に即戦力となる若手人材や、専門スキルを持つ人材は、複数の内定を持ちながら比較検討するのが当たり前になっています。
つまり、求人を出せば自然と人が集まる時代は、多くの業種でとっくに終わっているのです。
候補者はこれだけ情報を持っています。Glassdoorや転職会議のような口コミサイト、LinkedInやX(旧Twitter)での社員の発言、採用担当者のSNS、note記事、オウンドメディア。候補者は応募する前から、すでに「この会社はどんな会社か」をかなり調べています。
その上で、「面接を受けてみよう」という判断をしている。だとすれば、「応募が来てから口説く」だけでは遅いのです。
「採用ブランディング」と「採用広報」はどう違うのか
この2つの言葉、混同されることが多いので、整理しておきます。
採用ブランディングとは、「うちの会社で働くとはどういうことか」を明確にして、それを一貫して候補者に届けることです。コンセプト設計に近い。「どんな人が活躍するか」「入社してどう成長できるか」「会社の文化や価値観は何か」——これらを言語化して、採用活動全体に一貫性をもたせること。
採用広報とは、そのメッセージを外部に伝えるための活動です。社員インタビュー記事を書く、noteで働き方を発信する、SNSで会社の日常を伝える——これは採用ブランディングを実行するための「手段」の一つです。
よく「採用広報やってみます」と言いながら、コンセプトが定まらないままSNSを始めてしまう方がいます。それが続かない一因でもある。広報の前に、まずブランディング(自分たちは何者か)の土台を作ることが重要です。
候補者は「採用プロセス全体」で会社を評価している
先のエピソードに戻りましょう。あの企業が負けた理由は、「他社より面接後フィードバックが丁寧だったから」でした。
これを聞いて、「そんなことで?」と思った方もいるかもしれません。でも、候補者の立場から見れば、面接後にフィードバックがもらえる会社は、「社員を大切にしてくれる会社」に見えます。入社後もこういう丁寧さがあるんだろうな、という想像が働く。
つまり、採用プロセスそのものが「会社の文化の見本市」なのです。
- 求人票の文章の丁寧さ
- 応募後のレスポンスの速さと温かさ
- 面接の雰囲気(一方的な質問か、対話か)
- 選考結果の伝え方
- 内定後のフォローの質
これらすべてが、候補者に「この会社はどういう会社か」を伝えています。採用ブランディングは、採用媒体の記事や採用ページだけの話ではなく、こうした「タッチポイント全体」に宿るものです。
「知名度がないと勝てない」という思い込み
「うちの会社は知名度がないから、採用ブランディングをやっても意味がない」と思っている方に、一つ問いかけさせてください。
あなたが最後に転職を考えたとき、名前を知っている会社にしか応募しませんでしたか?
そうではないはずです。「この会社、面白そう」「こういう文化ならあっているかも」という感覚で応募先を絞り込んでいく。その判断材料になるのが、求人票の言葉、社員ブログの雰囲気、採用担当者の誠実さです。
知名度は確かに有利な武器です。でも知名度がある会社でも、採用プロセスが雑だったり、「なんとなく求人を出している」だけでは、いい人は来ない。逆に言えば、知名度が低くても、「この会社は自分のことを本当に大切にしてくれそう」「ここで働くと成長できそう」というメッセージが伝われば、候補者の心は動きます。
小さな会社ほど、一人ひとりの候補者と向き合う時間が作れる。そのきめ細かさが、実は最大の採用ブランドになりえるのです。
なぜ多くの会社がブランディングなしに採用しているのか
正直に言えば、採用ブランディングに取り組めていない会社が多いのは、責任感のない人が多いからではありません。
一つは、「今すぐ採用しなければならない」という緊急度の高さです。ブランディングは中長期的な投資であり、すぐに結果が出るものではありません。目の前に空きポジションがある状態で、「まず採用媒体に出しましょう」となるのは、ある意味自然な判断です。
もう一つは、「自社の強みが言語化されていない」問題です。「うちの会社の魅力は何ですか」と聞かれて即答できる人事担当者は、意外と少ない。それは怠慢ではなく、日々の業務に追われる中で「あえて言語化する機会がなかった」だけです。
ただ、その「言語化されていない状態」が、採用ブランディングが始まらない最大の原因でもあります。
採用ブランディングでよくある失敗
「採用ブランディング、やってみます」と動き出した会社が、最初につまずきやすいパターンを整理します。
ここで一つ、別のエピソードを紹介させてください。
面接で関わった人全員が「いい人だ」と高評価した候補者が入社したものの、入社後にパフォーマンスが出なかった、という話を聞いたことがあります。振り返ってみると、「"いい人"と"活躍する人"は違う。でも、その見極めの訓練を私たちはしていなかった」という気づきがあったそうです。
これは採用面接の話ですが、採用ブランディングにも同じ構造があります。「いい人に来てほしい」という気持ちが強すぎて、「どんな人が活躍するか」を明確にしないまま、会社の良い面だけを伝えようとしてしまう。その結果、ミスマッチが生まれる。
パターン①:会社の良い面だけを伝えようとして、候補者の信頼を失う
採用広報や採用ページで「うちの会社は最高です!」「働きやすい環境です!」「成長できます!」という言葉が並んでいるのを見たことはありませんか。
候補者は、これを見て何を思うでしょうか。「本当かな?」と思います。なぜなら、どの会社も同じことを言っているから。良い面だけを並べた会社紹介は、差別化にならないだけでなく、「何か隠しているんじゃないか」という疑念を生むことすらあります。
実は、「うちの仕事は大変だけど、こういうことに本気で向き合っています」という言葉の方が、候補者に刺さることが多い。正直さと誠実さが、採用ブランドの土台になります。
「ここで働くと大変なこともあるけれど、それはこういう理由で、こんな意味があります」——このメッセージの方が、「本当にここで働きたい」と思える候補者を引き付けます。
パターン②:SNS・noteを始めたが、3ヶ月で続かない
採用広報を始めよう、とnoteやInstagramを開設したはいいものの、3ヶ月で更新が止まる——これは非常によくあるパターンです。
続かない理由は、大抵二つです。「ネタが尽きた」か、「誰に何を伝えるかが不明確だったまま始めた」かです。
ネタが尽きる問題は、「発信の設計をしていなかった」ことが原因です。社員インタビューを何本やる、どんなテーマで書く、どういうトーンで伝えるか——これを最初に決めておかないと、毎回ゼロから考えることになり、疲弊します。
「誰に何を伝えるか」の問題は、より本質的です。採用したいポジションの候補者が、どんな情報を求めているか。それが定まっていなければ、発信内容がぶれます。コンセプトのないまま始めた採用広報は、続かないし、伝わらないことが多い。
パターン③:採用ブランディングと「実際の職場」が乖離している
これが最も深刻なパターンです。
採用ページには「働きやすい環境」「自由な文化」と書いてある。でも入社してみたら、残業が多く、上司に物が言えない雰囲気だった——候補者がこれを体験すると、早期離職につながり、口コミで「あの会社はミスマッチが多い」という評判が広がります。
採用ブランディングは「いいように見せること」ではありません。「実際にそこで何が起きているかを、正直に伝えること」です。
だとすれば、採用ブランディングに取り組む前に、「実際の職場はどうなのか」を人事としてしっかり見ておく必要があります。現場の課題から目を背けたまま、採用広報だけを磨いても、それは長続きしません。
では、人事のプロはどう考えているのか
ここからが、この記事の核心です。
私がこれまで500社以上の組織人事を支援してきた中で、採用ブランディングがうまくいっている会社に共通していることをお伝えします。それは、決して「予算が豊富」でも「リソースが多い」でもありませんでした。
工夫①:「自社の強みを棚卸しする」ことから始める
採用ブランディングの第一歩は、「うちの会社の魅力は何か」を明確にすることです。でもこれ、意外と難しい。「アットホームな環境です」「成長できます」という言葉は、魅力の言語化ではなく、言語化の放棄です。
では、どうやって本当の強みを掘り起こすか。私がお勧めするのは、「在職者へのインタビュー」です。
具体的には、現在自社で活躍していると感じる社員を5人選んで、こう聞いてみてください。
「あなたはなぜ、今もここで働いているんですか?」
この質問に対して返ってくる答えが、あなたの会社の本当の採用メッセージになります。「上司との関係がフラットで話しやすい」「自分の裁量で仕事ができる」「同僚が本気でお互いを助け合う」——こういう言葉は、きれいなコピーライティングよりも、はるかにリアルで力強いメッセージになります。
あわせて、「活躍している人の共通点」も探してみてください。年齢や職歴は違っても、活躍している人に共通する行動パターンや価値観があるはずです。「自分でどうにかしようとする人」「曖昧な状況を楽しめる人」「学ぶことが好きな人」——そういう特徴を言語化することで、「うちに合う人はこういう人です」という採用メッセージが作れます。
これが「強みの棚卸し」→「伝えるメッセージの設計」という流れです。外部向けのコンテンツを作る前に、まずこの内部調査から始めることを強くお勧めします。
この棚卸しには、「知る」フェーズとしての大切な意味があります。知らないことは伝えられない。伝えられないことは、候補者には届かない。まず「自社を知ること」から始める——これが採用ブランディングの出発点です。
工夫②:「候補者体験(CX)」を選考プロセス全体で設計する
採用ブランディングとは、求人票や採用ページだけの話ではありません。候補者が会社に触れるすべての接点——「タッチポイント」——が、採用ブランドを形成しています。
それを整理すると、こうなります。
応募前のタッチポイント
- 求人媒体の文章(どんな言葉で書かれているか)
- 会社のSNSや社員ブログ(どんな雰囲気の会社か)
- 知人や元社員の口コミ(実際の職場はどうか)
応募〜書類選考のタッチポイント
- 応募確認メールの速さと温かさ
- 書類選考の連絡が来るまでの日数
- 結果通知のメールの文章(丁寧か、定型文だけか)
面接のタッチポイント
- 面接前の案内の丁寧さ(場所、服装、準備すること)
- 面接での面接官の態度(一方的な質問か、対話か)
- 候補者が「自分について語れる」時間があるか
- 面接後のフィードバック(どんな点を見ていたか、次のステップは何か)
内定〜入社のタッチポイント
- 内定連絡の仕方(電話で伝えるか、メールだけか)
- オファーレターの丁寧さ(給与・条件だけか、入社への期待も書いてあるか)
- 入社前のフォロー(入社までの間に何か連絡があるか)
候補者は、これらのすべての体験を通じて、「この会社は本当に自分を大切にしてくれる会社か」を判断しています。
人事の方が「採用ブランディングを強化したい」と思ったとき、すぐにnoteやSNSを始めようとする方が多いのですが、まず自社の選考プロセスを「候補者の目線で一度ながめてみる」ことをお勧めします。面接後のフィードバックを丁寧にするだけで、内定承諾率が変わることもあります。
これは「考える」フェーズの話です。候補者がどう感じているかを考え、設計し、実行する。採用ブランディングとは、候補者体験の設計でもあります。
工夫③:「社員の声」を使った採用広報を小さく始める
強みの棚卸しができて、候補者体験の設計ができたら、次は「伝える」段階です。
ここで一つ、大事なことをお伝えします。「完璧なコンテンツを作ろうとしない」ことです。
最初から何万文字のオウンドメディアを作ろうとしたり、プロのカメラマンを呼んで写真を撮ったり、するとどうなるか。ハードルが高くなって、始まらない。そして「また今度でいいか」となってしまう。
私がお勧めするのは、「社員インタビュー1本・500字から始める」ことです。
「最近うちに来てくれた〇〇さんは、なぜうちを選んでくれたんですか?」「入社してみて、どんなことが予想と違いましたか?」——これだけでインタビュー記事は書けます。500字から始めて、3本になれば、それはもう立派な採用コンテンツです。
noteを1チャネルとして使うのも良いですし、Wantedlyで会社の日常を発信するのも良い。大切なのは「どんな人が活躍しているか」「入社してどんな経験ができるか」を、具体的に・正直に伝えることです。
SNSも同じです。「採用広報担当の一日」「入社半年の社員に聞いてみた」「うちの会社の失敗談」——こういうコンテンツは、磨き込まれたコピーより、はるかに候補者に刺さります。
「小さく始めて、成功事例を作って横展開」——これが採用ブランディングを持続させる最大のコツです。一つのコンテンツがうまくいったら、その型を横展開する。型ができれば続きやすくなります。
工夫④:「応募者に選ばれなかった理由」を継続的に収集する
これは、採用ブランディングの中で最も見落とされがちな、しかし最も重要な工夫です。
辞退した候補者に、アンケートを送ったことはありますか?
「なぜ辞退されたか、もし差し支えなければ教えてください」——このたった一言のアンケートが、採用ブランディング改善の最大のヒントになります。
「面接で、会社の雰囲気がわからなかった」「他社の方が、入社後のキャリアについて丁寧に話してくれた」「求人票の給与レンジが不明確で不安だった」——こういうフィードバックは、内定を承諾してくれた人からはなかなか聞けません。選ばれなかった理由の中に、改善のヒントがある。
また、入社後にパフォーマンスが発揮されなかった人の採用経緯を振り返ることも重要です。「どこで見極めが甘かったか」「どの段階でミスマッチが生まれていたか」を振り返ることで、採用プロセスが改善されます。
「動かす」→「振り返る」のサイクルをしっかり回すこと。採用ブランディングは、一度作ったら終わりではなく、継続的に改善していくものです。
辞退者アンケートを実施したことがない方は、まず直近の辞退者1人に、丁寧なお礼のメッセージとともに「もしよろしければ教えてください」と送ってみてください。そこから得られる学びは、大抵の場合、想像以上に価値があります。
「しつこく成果にこだわり続ける」——これは事業推進を担う人事として、採用においても同じことが言えます。一度やってみて終わりではなく、結果から学び、改善し続けること。それが、採用ブランディングを組織に根付かせていく道です。
明日からできる3つのこと
ここまで読んでくださった方の中には、「わかった、やってみよう」と思っている方もいれば、「とはいえ、何から始めればいいの?」と感じている方もいるかもしれません。
大丈夫です。全部を一気にやらなくていい。まず、この3つだけやってみてください。
アクション①:在職者に「なぜここで働いているか」を1人聞く
所要時間:15分(5分の準備+10分の会話)
必要なもの:話せる社員1人、メモ帳(またはスマホ)
最初の一歩:今週中に、社内で「活躍していると感じる社員」を一人思い浮かべてください。そして「少しだけ時間をもらえますか?採用のことで聞きたいことがあって」と声をかける。
聞く内容はシンプルでいい。「なぜ今もここで働いているんですか?」「入社する前と比べて、よかったと思うことは何ですか?」この2問だけでも、あなたの会社の採用メッセージのヒントが出てきます。
メモを取って、その言葉を求人票の一文に使う——それだけで、採用広報の第一歩は踏み出せます。
アクション②:自社の採用ページを候補者目線で見直す
所要時間:1時間
必要なもの:パソコン(スマホでも可)
最初の一歩:自社の採用ページ(または求人票)を、「転職を考えている見知らぬ人」になりきって読んでみてください。
チェックするポイントはこれだけです。
- 「この会社でどんな仕事をするか」が具体的にわかるか
- 「どんな人が活躍しているか」が伝わっているか
- 「入社後のキャリアイメージ」が描けるか
- 「この会社の文化や雰囲気」が伝わっているか
読んで「わからない」と感じたところが、改善ポイントです。全部直す必要はありません。一番気になったところを1つだけ修正する、それが始まりです。
もし採用ページを持っていない場合は、「求人票をもし候補者が読んだら、どんな印象を持つか」を想像して見直すだけでも意味があります。
アクション③:直近の内定辞退者の理由を1つだけ深掘りする
所要時間:30分〜1時間(アンケート作成+送付)
必要なもの:直近で辞退した候補者の連絡先、Googleフォームなど簡単なアンケートツール
最初の一歩:直近の内定辞退者の連絡先を確認してください。そして、こんなメッセージを送ってみましょう。
「先日は選考にご参加いただき、ありがとうございました。もしよろしければ、今後の採用活動の改善のために、辞退のご決断に至った理由を教えていただけますか?ご回答は任意です。今後の参考にさせていただきます」
返信があれば、そこから得られるフィードバックを、採用プロセスの改善に使ってください。返信がなくても、「送る習慣を作ること」が重要です。続けていれば、必ず改善のヒントが集まります。
まとめ
採用ブランディングというと、大掛かりなプロジェクトのように聞こえるかもしれません。でも今日お伝えしたことは、「明日から1人でもできること」ばかりです。
自社の強みを言語化する。候補者体験を点検する。社員の声を1本書く。辞退者に1通送る——どれも、特別なスキルも、大きな予算も、チームも必要ない。
完璧でなくていい。最初はうまくいかなくても、それが普通です。小さく始めて、成功事例を一つ作って、そこから広げていく。そのサイクルを回すことが、採用ブランディングを組織に根付かせる唯一の道です。
「事業を推進する人事」として、採用ブランディングは「人を集めること」ではなく、「この会社で何が起きていて、どんな人が力を発揮できるかを誠実に伝えること」です。人を生かして、事をなす——その視点から採用を捉え直すとき、あなたの採用活動は少しずつ変わっていくはずです。
「なんとなく応募」から「ここで働きたい」へ。その一歩を、まず明日から踏み出してみてください。
一人で悩んでいる方へ
人事図書館は、人事の仲間と学びが詰まった場です。 採用ブランディングの実践から、候補者体験の設計まで、仲間と一緒に学べます。
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