ハラスメント相談が来たとき、人事は何をするのか。「正解がない難しさ」と向き合い方
目次
- なぜハラスメント対応は難しいのか
- 理由①:言い分が食い違うのは「当然」である
- 理由②:「グレーゾーン」が広い
- 理由③:対応が関係者全員に影響を与える
- 「中立」を保つことの難しさと、その意義
- 「相談窓口があること」の意義と、形骸化の問題
- ハラスメント対応の落とし穴
- 落とし穴①:「まずは当事者同士で解決して」と丸投げする
- 落とし穴②:片方だけの話を聞いて判断してしまう
- 落とし穴③:「確認中」のまま長期間放置してしまう
- では、人事のプロはどう考えているのか
- 工夫①:「相談を受けた瞬間」の対応を決めておく
- 工夫②:「事実確認」を丁寧に進める
- 工夫③:「一人で抱え込まない」体制を作る
- 工夫④:「予防」の仕組みを作る
- 明日からできる3つのこと
- アクション①:自社の「ハラスメント相談が来たときのフロー」を1枚で書く
- アクション②:相談窓口の連絡先が社内で見える場所に掲示されているか確認する
- アクション③:社外の専門家(弁護士・社労士)の連絡先を1つリストアップする
- まとめ
ハラスメント相談が来たとき、人事は何をするのか。「正解がない難しさ」と向き合い方
「ハラスメントの相談が来たんですが、どこまでが指導でどこからがハラスメントなのか判断できなくて。一人で対応するのが怖くて」
このメッセージが届いたのは、ある夜のことでした。人事担当者からのDMでした。文面からは、その方が相当追い詰められていることが伝わってきました。
ハラスメント対応は、人事の仕事の中でも特に難しい領域の一つです。被害を訴えている人がいる。その人の話を聞けば「それはつらかったですね」と思う。でも、加害者とされた人の話を聞くと「指導のつもりだった」と言う。両者ともに正直に話しているように見える。でも、言っていることが全然違う。
「どちらが正しいのか」「これはハラスメントなのか、指導なのか」——この問いに、明確な答えを出さなければならないと感じている人事の方は多いと思います。でも、正直に言います。この問いに「正解」はありません。それが、ハラスメント対応を特別に難しくしている最大の理由です。
一人で抱えていると、本当に孤独になります。「自分の判断が間違っていたらどうしよう」「被害者と加害者の両方から恨まれてしまったらどうしよう」「何もしないことが一番安全なのかもしれない」——そういう気持ちになってしまうこともあるかもしれません。
今日は、そんなハラスメント対応に向き合っているすべての人事の方へ、「考え方の軸」と「具体的な動き方」について、一緒に考えてみたいと思います。完璧な答えをお伝えすることはできません。でも、少しでも「ひとりじゃない」と感じてもらえたら嬉しいです。
なぜハラスメント対応は難しいのか
冒頭でご紹介したメッセージを送ってきてくれたのは、中小企業で一人人事をされている方でした。従業員数が50名ほどの会社で、人事・総務・労務をほぼ一人でこなしている。そんな方が、ある日突然、若手社員から「上司にパワハラを受けています」という相談を受けたのです。
「どう対応すればいいか分からなくて、でも誰にも聞けなくて、深夜にメッセージを送ってしまいました」とおっしゃっていました。
この方の状況は、決して珍しいものではありません。一人人事として働いている方や、人事経験が浅い方にとって、ハラスメント対応は「突然やってくる難題」の代表格です。
では、なぜハラスメント対応はこれほど難しいのでしょうか。主に3つの理由があると思っています。
理由①:言い分が食い違うのは「当然」である
ハラスメントの相談を受けたとき、ほとんどのケースで被害を訴える側と、加害者とされた側の言い分が食い違います。これを「どちらかが嘘をついている」と考えてしまうと、対応を誤ります。
実は、両者が「自分の認識を正直に話している」ことは、十分あり得ることなのです。
たとえば、上司が「部下のことを思って厳しく指導した」と思っていても、部下は「人格を否定された」と感じることがあります。上司は「声が大きいだけで怒鳴ってはいない」と思っていても、部下は「毎日怒鳴られている」と感じることがある。どちらも「自分の感じたこと」を正直に話しているのに、事実認識が全然違う。
こうした「認識のズレ」は、人間関係において珍しいことではありません。だからこそ、「どちらが正しいか」を最初から決めようとするのではなく、「それぞれがどう感じたか」を丁寧に確認していく姿勢が大切です。
理由②:「グレーゾーン」が広い
厚生労働省は、パワーハラスメントを「優越的な関係を背景にした言動であって、業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、就業環境を害すること」と定義しています。
この定義の中に、「業務上必要かつ相当な範囲を超えた」という部分があります。これが非常に解釈の幅が広い。
厳しい指導は、どこからがハラスメントなのか。大声で叱責することは、どんな状況ならハラスメントになるのか。同じ行為でも、「それ以前の関係性がどうだったか」「頻度や継続性はどうか」「業務上の必要性があったか」によって、判断が変わってくる。
グレーゾーンが広いということは、「明らかにアウト」ではないケースの方が実は多い、ということでもあります。だからこそ、人事担当者が一人で抱え込んで判断しようとすると、その重みに押し潰されてしまうのです。
理由③:対応が関係者全員に影響を与える
ハラスメント対応のもう一つの難しさは、どう動いても「全員が満足する結果」にはなりにくいことです。
被害を訴えた人は「しっかり守ってほしい」と思っている。加害者とされた人は「一方的に悪者にされたくない」と思っている。その人の上司や部署の同僚も、この問題の影響を受ける。会社としては「問題を穏便に収めたい」という気持ちがあるかもしれない。そして、人事はその全員に何らかの形で向き合わなければならない。
「誰かの味方をしようとすれば、誰かの敵になる」という感覚。この感覚が、人事を苦しめる大きな要因の一つだと思います。
「中立」を保つことの難しさと、その意義
「人事は中立でいなければならない」とよく言われます。でも、これが言葉で言うほど簡単ではない。
「中立」というのは「どちらにも加担しない」ということではありません。「プロセスを公平に進める」ということです。被害を訴えた人の話も、加害者とされた人の話も、どちらも同じように丁寧に聞く。事実を積み上げて、判断する根拠を整理する。そのプロセスを公平に設計することが、人事の「中立」です。
「どちらの側にも立たない」ではなく、「どちらの声も聞く」。この違いを意識することが、ハラスメント対応の大前提になります。
「相談窓口があること」の意義と、形骸化の問題
2022年から、中小企業においてもハラスメント防止措置が義務化されました。「相談窓口の設置」はその中の一つです。
ただ、相談窓口を「設置している」だけで、実際には誰も使えていないというケースが少なくありません。「相談したことが上司に漏れるのではないか」「相談しても何も変わらないのではないか」「相談することで自分が不利になるのではないか」——そういう不安が、相談を阻む。
相談窓口は「あること」ではなく「使えること」が重要です。相談した人が守られ、適切に対応されるという実績が積み上がることで、初めて「使える窓口」になっていきます。
ハラスメント対応の落とし穴
ハラスメント対応でよくある失敗パターンがあります。これは「経験の浅さ」から来るものではなく、「人として自然な反応」から来るものが多い。だからこそ、意識しておくことが大切です。
ここで一つ、私が大切にしているエピソードをご紹介させてください。
あるとき、複数の部署に関わる組織課題について、それぞれの部署の管理職にヒアリングをしたことがありました。Aさんに聞けば「問題の原因はBさんにある」と言う。Bさんに聞けば「Cさんのせいだ」と言う。Cさんに聞けば「そもそも組織の仕組みが問題だ」と言う。
全員が正しい。全員が「自分から見えている範囲の事実」を話している。でも、誰一人として「象の全体像」を見ていない。象の鼻を触っている人は「象はホースのようなものだ」と言い、足を触っている人は「象は柱のようなものだ」と言う。それと同じことが、組織の問題には起きやすい。
ハラスメント対応でも、この「全体像が見えていない」問題は起きます。被害を訴えた人の話だけを聞けば「それは確かにひどい」と感じる。加害者とされた人の話だけを聞けば「指導のつもりだったんだろうな」と思う。でも、それぞれが見せてくれるのは「象の一部」です。人事の役割は、その全体像を見ようとすることです。
落とし穴①:「まずは当事者同士で解決して」と丸投げする
相談を受けたとき、「まずは当事者同士で話し合ってください」と言いたくなることがあります。気持ちは分かります。でも、これはほとんどの場合、機能しません。
ハラスメントの相談が来るということは、すでに当事者間の力関係が不均衡な状態になっていることが多い。そこで「二人で話し合ってください」と言っても、被害を訴えた人は追い詰められるだけです。
また、「二人で解決してほしい」というメッセージは、相談者に「相談しても意味がなかった」という印象を与えてしまいます。一度そう感じてしまうと、その人はもう相談してくれなくなる。問題が水面下に潜って、深刻化してしまうリスクがあります。
落とし穴②:片方だけの話を聞いて判断してしまう
「被害者の言っていることが正しいに決まっている」「こんなひどいことをするはずがない」——どちらの方向であっても、片方だけの話を聞いて結論を出してしまうのは危険です。
人は自分が経験したことを、自分の視点から語ります。嘘をついていなくても、「見えていない部分」や「解釈の違い」が含まれることがある。だからこそ、相手方の話も必ず聞く必要があります。
ただし、これは「被害者の話を疑う」ということではありません。「プロセスとして公平に進める」ということです。被害を訴えた人が「なぜ加害者の話も聞くんですか。私のことを信じていないんですか」と感じないよう、「あなたを守るために、事実をしっかり確認したい。そのために相手方にも話を聞く」という説明を丁寧にすることが大切です。
落とし穴③:「確認中」のまま長期間放置してしまう
ハラスメント対応は、スピード感が重要です。「確認中です」と言ったまま、1ヶ月、2ヶ月と経過してしまうケースがあります。
放置は「容認」と同じ意味を持ってしまいます。被害を訴えた人は「何もしてもらえなかった」と感じる。加害者とされた人は「自分の行動が問題ではなかった」と解釈する。そして、組織全体に「ここではハラスメントが許容される」というメッセージが伝わってしまう。
「すぐに結論を出す」ことと「スピード感を持って動く」ことは違います。結論を出すまでに時間がかかることがあっても、「次に何をするか」は常に見えている状態を保つことが大切です。相談者に定期的に「今どこまで進んでいます」という報告をすることも、その一つです。
では、人事のプロはどう考えているのか
ここからは、実際の対応の考え方を具体的にお伝えしたいと思います。「完璧な対応」を目指すのではなく、「プロセスを丁寧に積み上げること」を意識してほしいと思います。
工夫①:「相談を受けた瞬間」の対応を決めておく
ハラスメントの相談を受けたとき、最初の言葉が非常に重要です。
「話してくれてありがとうございます。よく言ってくれました」
まず、これを伝える。相談することには勇気が要ります。話してくれたこと自体を「よかった」と受け止める姿勢を示す。これが最初の一言です。
次に、2つのことを伝えます。「この話は、適切に対応するために必要な範囲でしか共有しません」ということと、「この相談を受けた以上、必ず何らかの対応をします」ということです。
「秘密を守る」という約束は、完全には難しい場合があります。事実確認のためには、関係者に話を聞く必要があるからです。だから「完全な秘密」ではなく「必要最小限の範囲での共有」と説明することが誠実です。
そして、この最初の相談の場では「解決策を急がない」ことが重要です。相談者は、まず「話を聞いてもらいたい」と思っています。いきなり「では、こう対応します」と動き始めると、相談者がついていけないことがある。「今日は話を聞かせてください。次のステップは改めて確認しながら進めます」というスタンスで、まず傾聴に徹することが大切です。
話を聞く際には、「どんな状況でしたか」「どう感じましたか」という問いを中心に、相談者の言葉を引き出す。こちらの解釈や評価を挟みすぎない。「それはひどいですね」という共感は大切ですが、「それはパワハラですね」という判断は、この段階では保留にします。
工夫②:「事実確認」を丁寧に進める
相談者の話を聞いた後、事実確認のステップに進みます。ここが、ハラスメント対応の中で最も地道で、最も重要な作業です。
双方の話を別々に聞く
被害を訴えた人と、加害者とされた人を、同席させて話を聞いてはいけません。同席させると、力関係の強い方に話が引っ張られてしまいます。また、その場でお互いへの反論が始まり、感情的な対立になってしまうリスクもあります。
被害者から話を聞く → 加害者とされた人から話を聞く、という順番で、それぞれ別の機会に、別の場所で行います。
「いつ」「どこで」「何が」「どう感じたか」を記録する
事実確認の際は、以下を必ず確認して記録します。
- いつ:日時(できるだけ具体的に)
- どこで:場所・状況
- 何が:具体的な言葉・行動(できるだけ一字一句近い形で)
- 誰が:発言者・行為者
- 誰の前で:第三者がいたか
- どう感じたか:相談者の感情・心理的影響
「大体こんな感じのことを言われた」ではなく、「できる限り具体的に」を意識して聞きます。「覚えていない部分があっても大丈夫です。思い出せる範囲で教えてください」という声かけをしながら、焦らずに進める。
第三者がいれば確認する
やり取りを目撃していた人がいれば、その方にも話を聞くことが重要です。ただし、「誰がハラスメントの相談をしている」という情報が広まると、相談者が傷つく可能性があります。第三者へのヒアリングは慎重に、かつ相談者の了承を得てから行うことが基本です。
また、メールやチャットのやり取り、手帳に記録された日時など、客観的な記録があれば確認します。相談者にも「記録があれば共有してほしい」と伝えておくといいでしょう。
工夫③:「一人で抱え込まない」体制を作る
ハラスメント対応において、人事が「一人で解決しようとしない」ことは、原則として覚えておいてほしいことです。
社内でのサポート体制
まず、社内で誰に相談・共有するかを考えます。上長(社長や役員)には、案件が発生していることと進捗状況を適宜報告することが必要です。ただし、当事者と近い関係にある場合は、情報共有の範囲を慎重に考える必要があります。
法務部門がある場合は、法的なリスク判断について早期に連携することが有効です。
社外の専門家の活用
弁護士や社会保険労務士(社労士)との連携は、特に判断が難しいケースで非常に有効です。「これはハラスメントに当たりますか」という法的な判断は、専門家に相談するのが適切です。人事が一人で法的判断を下そうとするのは、判断の精度の問題もありますが、万が一判断を誤ったときの責任のリスクも大きい。
「顧問弁護士や顧問社労士がいない」という会社の場合は、スポットで相談できる専門家を探しておくことを勧めます。後述のアクションでも触れますが、「いざというときに相談できる専門家の連絡先を持っておく」こと自体が、人事としての重要な備えです。
産業医との連携
相談者が心理的に追い詰められている場合、産業医との連携も重要です。産業医は「業務上の健康リスク」を判断する専門家であり、「この状態で同じ環境に置き続けることが健康に影響するか」という観点からのアドバイスをもらうことができます。
産業医がいない場合は、地域産業保健センター(産業保健総合支援センター)に相談することも一つの選択肢です。
工夫④:「予防」の仕組みを作る
ハラスメント対応は、起きたことへの対応だけでなく、起きないようにする仕組みづくりが同様に重要です。
ハラスメント防止研修の設計
法律上、事業主にはハラスメント防止のための措置が義務付けられています。その中の一つに「研修の実施」があります。
研修を「義務だからやる」ではなく、「組織の文化を変えるための機会」と捉えることが大切です。「これをやったらパワハラです」という知識の提供だけでなく、「なぜハラスメントが起きるのか」「自分の言動が相手にどう影響するか」を考える機会にすることで、研修の効果が上がります。
管理職向けと一般社員向けで内容を分け、管理職には「フィードバックの仕方」「部下との関わり方」についても含めると、より実践的になります。
相談窓口の「使いやすさ」を定期的に確認する
相談窓口は「設置しているだけ」では機能しません。「社員が実際に使えると感じているか」を定期的に確認することが重要です。
サーベイや面談を通じて、「相談窓口の存在を知っているか」「使いやすいと感じるか」「相談したときに守られると思うか」という問いを投げかけてみる。そこで出てきた課題を改善していくことで、相談窓口が「形骸化した制度」から「実際に機能する仕組み」に変わっていきます。
明日からできる3つのこと
ここまで読んで「分かったけど、何から始めればいいか」と感じている方もいると思います。「完璧な対応」を目指す前に、まず「足元を整える」ことから始めましょう。
アクション①:自社の「ハラスメント相談が来たときのフロー」を1枚で書く
所要時間:1〜2時間 必要なもの:A4用紙1枚またはメモツール
「相談が来た → 何をする → 誰に連絡する → いつまでに → どう対応する」という流れを、自分で書いてみましょう。
ポイントは「1枚に収める」こと。細かすぎると使えないので、「相談を受けたときに自分が迷わない」程度のシンプルさで構いません。
書いてみると、「この部分、誰に連絡すればいいか決まっていない」「社外の専門家の連絡先を持っていない」という「穴」が見えてきます。その穴を埋めていくことが、次のステップになります。
最初の一歩:今日の夜、15分だけ時間を取って「相談が来たら、まず私は何をするか」を3ステップで書いてみてください。
アクション②:相談窓口の連絡先が社内で見える場所に掲示されているか確認する
所要時間:15分 必要なもの:社内の掲示板・イントラネット・ポスター等を確認できる環境
「相談窓口があります」という情報が、社員に届いているかどうかを確認します。社内の掲示板、トイレの壁、イントラネットのトップページ——相談したい人が「どこに連絡すれば」と思ったときに、すぐに分かる場所に情報があるかどうかを確認してみてください。
「あるはずだけど、どこに掲示してあるか分からない」という状態は、「ない」と同じです。
最初の一歩:明日の朝、会社に行ったら「相談窓口の連絡先」がどこに掲示されているかを確認してみてください。見つからなければ、それがすでに課題です。
アクション③:社外の専門家(弁護士・社労士)の連絡先を1つリストアップする
所要時間:30分 必要なもの:インターネット環境
「いざというとき」に相談できる社外の専門家を、一人探しておきましょう。顧問弁護士・顧問社労士がいる場合は、「ハラスメント案件についても相談できるか」を確認しておく。いない場合は、地域の弁護士会や社労士会のウェブサイトから「労働問題に詳しい専門家」を探してみてください。
「実際に相談する」まで至らなくても構いません。「ここに連絡すれば専門家に相談できる」という情報を持っているだけで、いざというときの心理的な安心感が変わります。
最初の一歩:今日、「社労士 ハラスメント 相談 [都道府県名]」で検索して、連絡先を一つメモしておいてください。30分あれば十分です。
まとめ
ハラスメント対応に「完璧な正解」はありません。「これさえやれば大丈夫」という魔法の手順もありません。でも、「プロセスを丁寧に積み上げること」が、最終的に「信頼される人事」につながっていくと思っています。
一つだけ、大切にしてほしい言葉を最後にお伝えします。
「ハラスメントのない職場は、人事が作るのではなく、組織が一緒に作るもの」
人事が一人で抱え込んで、一人で解決しようとしなくていい。相談が来たとき、まず「話してくれてよかった」と受け止める。事実を丁寧に確認する。必要な専門家に連絡する。プロセスを公平に進める。その積み重ねが、「誰も犠牲にならない組織」を少しずつ作っていきます。
「誰も犠牲にならない組織を当たり前に」——これが、ハラスメント対応に向き合う人事の、根っこにある願いではないでしょうか。
あなたが相談を受け止め、丁寧に向き合おうとしていること。それ自体が、すでに組織にとっての財産です。一人で全部抱え込まなくていい。でも、その「向き合おうとする姿勢」だけは、手放さないでいてほしいと思います。
このテーマに向き合い続けることの難しさを、私も理解しています。だからこそ、「仲間と一緒に学べる場所」が大切だと思っています。
一人で悩んでいる方へ
人事図書館は、人事の仲間と学びが詰まった場です。 ハラスメント対応の進め方から、予防の仕組みの設計まで、仲間と一緒に学べます。
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