「辞めてもらえればよかった」では終わらせない——休職・復職支援の設計と、人事が担う本当の役割
目次
- 休職・復職支援が難しい理由を、まず整理する
- なぜ休職・復職支援は難しいのか
- 休職に至る背景を理解する
- 復職支援に関わる「関係者マップ」を整理する
- よくある失敗パターン——これをやると再休職になる
- 失敗パターン①:主治医の診断書「復職可」だけを見て復職させる
- 失敗パターン②:職場環境の問題を解決せずに復職させる
- 失敗パターン③:復職後のフォローアップ計画がない
- 人事のプロはどうしているか——再休職させない設計の4つの工夫
- 工夫①:休職前から「復職支援プロセス」を設計しておく
- 工夫②:産業医・主治医・上司・人事の役割分担を明確にする
- 工夫③:職場環境の問題を「復職と並行して」対処する
- 工夫④:復職後の段階的プログラムを個別に設計する
- 明日からできる具体的アクション
- アクション①:「休職者対応ガイドライン(簡易版)」を1枚で作る
- アクション②:産業医(または地域産業保健センター)との連携体制を確認する
- アクション③:「復職後フォロー面談シート」のテンプレートを作る
- まとめ
「辞めてもらえればよかった」では終わらせない——休職・復職支援の設計と、人事が担う本当の役割
「メンタル不調で休職した社員の復職支援をどう進めればいいか、正直何から手をつければいいかわからなくて。主治医からは『復職可』の診断書が来たんですが、受け入れ側の準備が全然できていないまま戻してしまって、また1ヶ月で再休職になってしまったんです……」
こんな経験をした人事担当者は、決して少なくないと思います。休職・復職支援は、採用や制度設計と違って「正解のフォーマット」が見えにくいテーマです。主治医・産業医・上司・本人・人事、関係者が多く、それぞれの立場が微妙に異なる。何をどこまでやるべきか、誰が決めるのか、迷いながら対応しているうちに「また再休職」という事態になってしまう。
さらに正直なところ、「また休職するくらいなら、最初から辞めてもらったほうがよかったかも……」という感情が湧いてしまうことも、現場では少なからずあります。その感覚を否定するつもりはありません。でも、その感覚のまま終わらせることは、組織にとっても、本人にとっても、長期的には大きな損失につながります。
この記事では、休職・復職支援の「設計」という視点から、一人人事や経験の浅い人事担当者が明日から使える考え方と具体的なアクションを整理します。「再休職を繰り返さない組織」をつくるために、何ができるか。一緒に考えてみたいと思います。
休職・復職支援が難しい理由を、まず整理する
ある製造業の人事担当者が話してくれました。「うちの会社、メンタルで休職した社員が今まで3人いたんですけど、全員再休職になったんです。主治医の診断書が来たらとりあえず戻す、という感じで対応していて、その後どうフォローするかは現場任せで。上司も困っていたと思いますが、何をすればいいか誰も知らないまま、また体調が崩れて……。3人目のとき、正直もう辞めてほしいと思ってしまいました。でもそれって、私たちが設計できていなかったからなんですよね」。
この話は、多くの組織の現実を表しています。問題は本人にあるのではなく、「組織が復職支援を設計していなかった」ことにあります。
なぜ休職・復職支援は難しいのか
休職・復職支援が難しい理由には、構造的な要因が複数あります。
第一に、関係者が多く役割が曖昧になりやすい。 主治医(治療担当)・産業医(就業判断担当)・上司(職場管理担当)・人事(制度・調整担当)・本人(当事者)——これだけの関係者がいるのに、「誰が何を決めるか」が明文化されていない組織がほとんどです。結果として、「主治医が復職可と言ったから戻した」「上司が大丈夫と言うから大丈夫と判断した」という、責任の所在が曖昧なまま進む意思決定が起きやすくなります。
第二に、「復職」がゴールだと勘違いしやすい。 休職対応のゴールは「復職」ではなく「安定した就労継続」です。でも現場では、診断書が届くと「やっと戻ってこられる」という安堵感が先行して、復職後のフォロー設計がほぼゼロのまま戻してしまうことが多い。復職の瞬間がゴールではなく、「復職後6ヶ月を安定して過ごせるかどうか」が本当のゴールです。
第三に、「職場側の問題」が解決されないまま本人を戻すことが多い。 メンタル不調の背景には、多くの場合「職場環境・業務負荷・上司との関係性」など、組織側の問題があります。でも休職期間中は「本人の回復」に視点が向きがちで、「なぜ不調になったのか」という職場環境の問題は棚上げされたまま復職を迎えてしまう。再休職の最大の原因のひとつがこれです。
第四に、「一人人事」や経験の浅い担当者が一人で抱えやすい。 複数の関係者を調整し、制度を確認し、本人と面談し、上司に助言し……という複合的なタスクを、経験もサポートもない状態でひとりで担うことが多い。「何が正解かわからないまま、とにかくこなしている」という状態の担当者が非常に多いのが現実です。
休職に至る背景を理解する
メンタルヘルス不調による休職者数は、近年増加傾向が続いています。厚生労働省の調査では、メンタルヘルス上の理由による休職者を経験した企業の割合は年々上昇しており、特に中小企業においても「他人事ではない課題」になっています。
背景には、働き方の変化(リモートワークの孤立・長時間労働・職場コミュニケーションの希薄化)、社会全体のメンタルヘルスへの意識の変化(受診しやすくなった・申告しやすくなった)、そして組織の複雑化(マトリクス組織・兼務・プロジェクト型業務の増加による役割の不明確化)など、複数の要因が重なっています。
重要なのは「メンタル不調は本人の弱さではなく、環境と個人の不適合から生じる」という視点です。この視点を持つことが、復職支援設計の出発点になります。
復職支援に関わる「関係者マップ」を整理する
復職支援を設計するうえで、まず「誰がどんな役割を担うか」を整理する必要があります。
- 主治医:治療を担当。疾患の診断と治療、「復職可能」の判断を行う。ただし主治医は職場の実態をほとんど知らないことが多く、「復職可」は「症状が安定した」という意味であり、「この職場で問題なく働ける」という意味ではありません。
- 産業医:就業と健康の接点を担当。「この職場でこの業務条件で働くことが健康上問題ないか」を判断する。産業医がいない中小企業では、地域産業保健センターや外部委託産業医の活用も選択肢です。
- 上司(管理職):職場管理を担当。実際の業務配分、職場環境の調整、フォローアップの日常的な実施を担う。上司が最も「何をすればいいかわからない」状態になりやすい関係者です。
- 人事:制度・調整・設計を担当。関係者の役割を明確にし、プロセスを設計し、必要な情報を整理して調整する。当事者に直接答えを出すのではなく、「プロセスが機能する状態をつくる」のが人事の役割です。
- 本人:自身の状態を観察・報告し、回復に向けて主体的に取り組む。支援を受ける立場であると同時に、復職プロセスの中心的な当事者です。
よくある失敗パターン——これをやると再休職になる
失敗パターン①:主治医の診断書「復職可」だけを見て復職させる
最も多い失敗です。主治医から「復職可能」の診断書が届いた。「やっと戻ってこられる」と安堵して、そのまま「来週から出社してください」と連絡する。
問題は、主治医の「復職可」と「この職場でこの業務量で問題なく働ける」は、同じではないという点です。主治医は病院という環境でしか本人と接しておらず、職場の業務内容・職場環境・人間関係については情報がほとんどありません。「症状が安定した」という医学的判断と、「職場復帰に適した状態か」という就労判断は別物です。
産業医がいる会社であれば、産業医による「職場復帰支援の可否」の判断を経ることが基本です。産業医がいない場合でも、地域の産業保健センター(無料で相談できます)に相談することで、就労判断の視点を得ることができます。
また、診断書が届いた後に「本人・人事・上司」での三者面談を設け、「戻った後の業務内容・勤務条件・フォロー体制」を具体的に確認するプロセスが必要です。「書類が届いたら戻す」というフローは、再休職のリスクを著しく高めます。
さらにいえば、「復職可の診断書が出るまで待つ」という受け身の姿勢も問題です。休職期間中から、「いつ頃復職を目指したいか」「どんな状態になれば復職できそうか」を定期的に確認し、復職後の環境設計を並行して進めておくことが、スムーズな復職支援につながります。
失敗パターン②:職場環境の問題を解決せずに復職させる
「半年休んで体調が戻ってきたので復職します」——そして戻った先に、休職に至った原因がそのまま残っている。過剰な業務量、機能しないマネジメント、職場の人間関係の問題。これでは、再休職になるのは必然です。
休職の背景には多くの場合、「職場環境・業務負荷・上司との関係性」など、組織側の問題があります。しかし休職期間中は「本人の回復」に視点が向くため、「なぜ不調になったのか」という問いが後回しになりやすい。
人事として取り組むべきは、休職の原因分析と職場環境の改善を「復職対応と並行して」進めることです。これは難しいことに見えますが、少なくとも「休職前に何が起きていたか」を上司・チームメンバーにヒアリングし、業務量・役割・職場のコミュニケーション状況を整理するだけでも、問題の所在が見えてきます。
「本人が弱かった」で終わらせると、次の人が同じ環境で同じことになります。組織としての再発防止策を検討することが、人事の役割です。
失敗パターン③:復職後のフォローアップ計画がない
復職したら「あとは現場に任せる」。上司は「何かあれば言ってください」と言うだけ。本人は「また迷惑をかけたくない」という思いから、しんどくても言い出せない。そして1〜2ヶ月後に再休職。
復職後の最初の3〜6ヶ月は、再休職リスクが最も高い期間です。この時期に、定期的かつ構造的なフォローがなければ、兆候を見逃したまま再休職に至ります。
フォローアップ計画は「誰が・いつ・何を確認するか」を事前に決めておくことがポイントです。「何かあれば言ってください」は計画ではありません。「月1回、人事が30分面談する」「週1回、上司が業務量を確認する」「体調スコア(主観評価)を定期記録してもらう」——こうした具体的な仕組みを、復職前に設計しておく必要があります。
人事のプロはどうしているか——再休職させない設計の4つの工夫
工夫①:休職前から「復職支援プロセス」を設計しておく
再休職を起こさない組織の人事が最初にやっていることは、「休職が発生してから考える」のではなく、「休職が発生する前から復職支援の仕組みを設計しておく」ことです。
具体的には、会社として「休職者への関わり方ガイドライン」を文書化しておきます。内容は以下のような項目です。
- 休職開始時の人事・上司・本人の役割確認
- 休職中の連絡頻度・方法・内容のルール(例:月1回、人事がメールで安否確認)
- 復職前に必要なプロセス(診断書・産業医面談・三者面談・復職計画書の作成)
- 復職後のフォロー体制(頻度・担当者・期間)
- 再休職リスクが高まったときのエスカレーションルール
このガイドラインは、「完璧に整備してから使う」必要はありません。現時点でできる範囲で文書化しておき、実際の事例を通じてアップデートしていく。「仕組みを持っていること」自体が、担当者の判断ブレをなくし、組織の対応品質を一定に保つことにつながります。
経営数字として見ると、メンタル不調による休職の影響は非常に大きい。厚生労働省のデータや産業医学の研究によれば、1人のメンタル不調による休職コストは、直接的な代替人員コスト・生産性の低下・管理職工数・再採用コストを合わせると、年収の1〜2倍程度に達するとされています。30歳・年収400万円の社員であれば、400〜800万円相当のコストが発生する計算です。再休職が繰り返されれば、そのコストは倍増します。仕組みをつくるコストと比べれば、事前設計のROIは明らかです。
工夫②:産業医・主治医・上司・人事の役割分担を明確にする
復職支援で最も失敗しやすいのは「誰が何を決めるか」が不明確なままプロセスが進むことです。プロが行う復職支援では、関係者ごとの役割分担を明確にします。
主治医の役割:疾患の治療と「症状の安定」の判断。主治医の意見書は重要な参考情報ですが、「就労可能か」の最終判断には職場情報が必要です。可能であれば、産業医経由で職場の情報(業務内容・職場環境・勤務条件)を主治医に提供し、連携をとることが理想です。
産業医の役割:「この職場でこの条件で働くことが健康上適切か」の判断。産業医面談の結果をもとに、「就業上の措置(業務制限・時短・配置転換等)」の意見をもらい、人事がそれを判断材料にします。産業医は経営・人事側の味方でも、本人の味方でもなく、「就業と健康の両立」の観点から意見を出す専門家です。
上司の役割:日常的な職場管理と業務調整。上司は「医療の専門家でも人事の専門家でもない」という前提で、人事が「上司として何をすればいいか」を具体的に伝える必要があります。「何かあれば言ってください」だけでは上司は困ります。「週1回15分、業務量と体調について確認する」「本人から相談があったときの連絡先(人事の名前)を伝えておく」など、具体的なアクションを設計して上司に伝えましょう。
人事の役割:プロセス全体の設計と調整。診断書の受領、関係者の調整、復職計画書の作成、フォロー面談の実施——人事は「プロセスを機能させる人」です。個々の医療判断や業務判断に踏み込みすぎず、「関係者が適切に機能する状態をつくる」ことに集中します。
この役割分担を「復職面談シート」や「復職支援フロー図」として文書化しておくと、担当者が変わっても対応の品質を保てます。
工夫③:職場環境の問題を「復職と並行して」対処する
休職の背景にある職場環境の問題を、復職前に並行して整理・改善することが、再休職を防ぐ最も重要な工夫のひとつです。
しかしこれは「全ての問題を解決してから戻す」という意味ではありません。現実には、職場環境の問題は複雑で、短期間で全解決することはできません。重要なのは「問題があることを認識し、改善の意図と具体的なアクションを持っていること」です。
人事として取り組むアクションは以下です。
まず、「なぜ不調になったか」のヒアリングを行います。本人・上司・場合によってはチームメンバーに対して、休職前の職場環境・業務量・コミュニケーション状況について聞きます。「誰かを責めるためではなく、環境改善のための情報収集」というスタンスを明確にしておくことが大切です。
次に、復職後の業務設計をします。「最初の1ヶ月は業務量を通常の50〜60%に」「特定の業務(締め切りが厳しいもの・対人交渉が多いもの)は当面除外」など、段階的な業務移行計画を上司と一緒に作ります。これは本人への「優しさ」ではなく、再休職リスクを下げるための「組織的合理判断」として位置づけます。
さらに、上司への支援を行います。多くの場合、上司も「どう対応すればいいかわからない」状態にあります。「復職した社員への接し方」「業務量の調整の仕方」「相談を受けたときの対応」を人事から具体的にインプットしておくことで、上司が安心して職場管理に取り組めるようになります。
工夫④:復職後の段階的プログラムを個別に設計する
「復職後6ヶ月プラン」を個別に設計することが、再休職を防ぐ最後の重要な工夫です。
段階的プログラムの考え方は以下の通りです。
フェーズ1(復職後1ヶ月):慣らし期 出勤すること自体に慣れる。業務量は通常の50〜60%。体調・業務量・職場環境について週次で確認(上司)、月次で面談(人事)。「何があれば連絡する」ではなく、「週◯曜日に確認する」という定期フローを設ける。
フェーズ2(2〜3ヶ月):業務移行期 業務量を段階的に増やしていく。新しい業務への挑戦は控えめに。体調・業務量の確認は継続。本人が「自分でモニタリングできている感覚」を持てることを目標にする。
フェーズ3(4〜6ヶ月):安定定着期 通常の業務量に戻す。月次面談は継続しながら、本人の主体性を育てていく。「また調子が悪くなりそうなサイン」を本人自身が把握している状態(セルフモニタリング能力)を目標にする。
フェーズ4(6ヶ月以降):通常運用へ フォロー面談の頻度を下げる。ただし「何かあれば相談できる」という入口は維持。完全な「通常運用」に戻しても、本人が「また話せる」という関係性を人事が維持し続けることが大切です。
このプログラムは「全ての人に同じ」ではなく、本人の状態・職種・休職原因・職場環境によって個別化します。ひな形を作っておき、「このひな形をベースに個別調整する」というアプローチが現実的です。
経営数字から見ると、こうした段階的プログラムへの投資(人事工数・産業医費用)は、再休職による損失コスト(採用コスト・生産性低下・管理職工数)と比べれば、明らかに低コストです。「丁寧にやりすぎでは?」と感じる場面でも、「再休職を1件防ぐことで何百万円のコストを回避できるか」という経営数字の視点を持つことで、投資判断が変わります。
明日からできる具体的アクション
アクション①:「休職者対応ガイドライン(簡易版)」を1枚で作る
所要時間: 2〜3時間(初回) 必要なもの: 自社の就業規則・休職規程・PCとWord/Googleドキュメント 最初の一歩: 今ある休職規程を確認する(存在するか・内容を把握しているか)
現在進行中の休職者がいるかどうかに関わらず、「今後休職者が出たときの対応フロー」を1枚のドキュメントにまとめます。内容は「誰が何をする(人事・上司・本人)」「いつ何を確認する(タイムライン)」「何を文書化するか(診断書・面談記録・復職計画書)」の3点で構いません。
完璧なガイドラインを作る必要はありません。「現時点でのベスト」を文書化して、実際の事例を経てアップデートしていく。まずA4一枚のフローチャートから始めてみてください。
アクション②:産業医(または地域産業保健センター)との連携体制を確認する
所要時間: 1〜2時間 必要なもの: 会社の産業医契約情報、または地域産業保健センターの連絡先 最初の一歩: 「うちに産業医はいるか」を確認する
50人以上の事業場は産業医選任が義務です。50人未満の場合は地域産業保健センター(無料)が利用できます。
産業医がいる場合は、「復職支援における産業医との連携ルール」を確認します。「診断書が届いたら産業医に連絡する」「復職前に産業医面談を必ず設ける」という基本フローを自社で決めておくだけで、復職支援の品質が大きく変わります。
産業医がいない場合は、地域産業保健センターへの相談窓口を把握しておきます。「どんなときに相談できるか」「費用は?」「相談方法は?」——この情報を持っているだけで、いざというときの初動が変わります。
アクション③:「復職後フォロー面談シート」のテンプレートを作る
所要時間: 1〜2時間 必要なもの: Googleドキュメントまたはエクセル 最初の一歩: 以下の質問項目を参考にテンプレートを作る
復職後の面談で確認すべき項目は、おおむね以下の5点です。
- 体調スコア(10点満点で今日の状態を自己評価してもらう。数値化することで変化が見える)
- 業務量の適切さ(多い・ちょうどいい・少ない、という三択で確認)
- 職場での困りごと(具体的な出来事ベースで聞く)
- プライベートの状況(睡眠・食事・休日の過ごし方)
- 来月に向けての希望・不安
このシートを使って月1回30分の面談を行うだけで、「再休職の兆候」を早期にキャッチできるようになります。記録を残すことで、「この時期から体調スコアが下がっていた」という振り返りができ、次の事例への学びにもなります。
「面談のたびに何を聞けばいいかわからない」という状態を解消するだけで、フォロー面談の継続率が上がります。ツールの力を借りて、仕組みを回す。それが一人人事の現実的なアプローチです。
まとめ
「辞めてもらえればよかった」という感情が湧いたとき、それは人事担当者の人間的な反応です。でもその感情の背景を辿ると、多くの場合「仕組みがなかった」「設計できていなかった」という組織の問題に行き着きます。
休職・復職支援を再設計することは、目の前の1件の問題を解決するだけでなく、「次に同じことが起きたときに、組織として対応できる力をつけること」です。それは採用コストの削減でもあり、現場管理職の負担軽減でもあり、会社全体の信頼性向上でもあります。
人事がプロセスを設計する。関係者の役割を明確にする。職場環境の問題に向き合う。復職後のフォローを仕組みにする。この4つを、今すぐ全部やる必要はありません。「まず一歩」として、今日できることを一つ始めてみてください。
「また休んでしまうかもしれない」という不安を抱えながらも出社してくる社員が、「この会社に戻ってよかった」と思える場所を作ること。それが人事の仕事のひとつだと、この記事を通じて伝えたいと思いました。
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